「どうして、いじめや戦争が起きるのだろう?」
幼少期に、わたしが抱いた純粋な疑問でした。
わたしは1984年北海道札幌市にて、元サッカー選手で自分にも他者にも厳しい厳格な父親と、全てを認めて受け入れてくれる優しき母親の間に産まれました。
わたしの将来の夢は、
父親を超えるプロサッカー選手になること。
勿論サッカーが大好きだったというのもありますが、幼少期より父親に
「頑張ったな」「よくやったな」
と褒められた経験が無いので、今思えば、父親に認められたい、という想いが少なくなかったのかもしれません。陽が沈みボールが見えなくなるまで、小学校のグラウンドで友達とボールを蹴ってました。
ですが、、、そんな中、突如、悲劇がわたしを襲いました。
小学4年生の時、右膝に大怪我を負い、
主治医に「成長期が終わるまで手術は出来ない。今は治せない」 と告げられました。
「えっ???、、、サッカー出来ないの???」
当時のわたしは頭の中が真っ白になりました。 その出来事から、急に涙が溢れてきたりと、情緒不安定となり、健全な身体を持つ周囲の人たちに妬みや嫉妬の心が芽生えて、とても心が不健康な状態を経験しました。
そして「父親の期待に応えれなかった」「父親を失望させてしまった」という感情が強くなり、それ以降、父親と上手く接することが出来なくなりました。
放課後、クラスメイトの友達が遊びに帰宅する中、1人で校舎の隅に残り、家に置いてあった
「生きるとは?」「生命とは?」
という類の自己啓発本や哲学書を読み耽っていました。
「やりたい事が出来なくなったわたしに価値はあるの?」
「こんなに苦しいのに何故生きる必要があるのか?」
こんな言葉がいつも頭の中がグルグル廻っていたのを覚えています。
ただ、わたしが生命を絶つことなく今こうして生きていられるのは母親と祖父母の存在です。
小学校をずる休みしたり情緒不安定で人生に絶望しているわたしを、あるがまま、ありのままに受け入れてくれました。
【自己肯定出来ない自分を肯定してくれる存在】
がいなかったとしたら、今の私は間違いなく存在し得ないでしょう。
それから、現在までの人生は端折りますが、決して順風満帆にきた訳ではありません。
本当に数えきれないほどの失敗と後悔と自己否定、を繰り返しながら、自問自答し、
形のない答えを模索してきました。
その中で、幼少期から感じてきた、
「どうして、世の中でいじめや戦争が起きるのだろう?」
その問いの先にある答えが観えてきました。
それは、
【自分で自分を愛することが出来ないから】
これが私なりの結論です。
勿論、それが絶対普遍的な答えではありません。
ただ、もし仮にそうだとしたら、
「何故、自分で自分を愛することが出来ないのか?」
「どうしたら、自分で自分を愛する事が出来るのか?」
という問いが生まれてきます。
その為の解決策の一助が当法人の存在意義であり、
私が法人設立を決意した一つの目的になります。
『生命に優しい社会を創る』
その為に、一人ひとりが自分自身の生命の本当の価値や尊さに気づくこと。
そして、ペイフォワードの利他の心を大切にし、人と人とが信頼し合える確かな繋がりを深め、認め合い、助け合い、支え合っていくこと。
私たちの生命の温床であるこの地球(ほし)をみんなで大切に育んでいくこと。
これらの目的の為のプラットフォーム型NPO法人となり、多くの人々や企業・行政と手を携え合い、基盤構築の一助とさせて頂きたいと真摯に想っています。
ですが、使命感や責任感は人を成長させますが、時に自分を苦しめる感情となり得ることを過去の経験から知っております。
私自身も背伸びをせず等身大であるがままの自分としてこの法人を楽しみながら育んでいきます。
また、この文章を最後まで読んで頂きました皆様一人ひとりにおかれましても、ただ自分らしく無理をせずNPOココハルにご縁して頂ければ嬉しく思います。
そして批判や否定からではなく、全ての物事へ感謝と敬意を抱きながらみんなの心を丁寧に紡いでいくこと。
この地球で生きゆく未来の世代に”生命に優しい世界”を共に継承していけたならば、それはこの上ない喜びとなりましょう。
代表理事 酒谷 晃生